2012年9月27日木曜日

大谷石でキッチン(炊事場)を作りました@9月22日(土)

  とれたての野菜やハーブをすぐに料理して食べる。食べ残しや食器を洗った排水は砂利でろ過し、微生物が分解し、植物が栄養素を吸い上げ、生き物が大活躍してきれいな水になって海に流れます。そして太陽にあたためられて蒸発し、雲となり、雨となって、ふたたび私たちの飲み水としてめぐってくるのです。そんな循環を感じることができるキッチンガーデンづくり、いよいよ佳境です。

 おはようございます~。今日は総勢30人弱。3歳から75歳、家族や友人、同僚、小田原市内外から遠くは高尾や秩父からも、様々な方が参加くださいました。

今日は、大谷石で野外キッチン(炊事場)を作ります。講師のパーマカルチャーデザイナー、四井真治さん。“キッチンはすべての生き物の生命の源です。生ごみや排水は微生物に仕事を与え、植物の栄養になります。食べる行為が、周辺から資源を集め、土や川、海に還し、生き物が増えて、循環の輪を太く大きくするのです。”

 炊事場のシンクは大谷石で作ります。廃材として捨てられていたものをもらってきました。隣のアースオーブンも大谷石で作ったからお揃いね。

大きさもまちまちで角が欠けたりしてますが、四井さんがカッターで削って整えてくれました。手前を低くして、こんな感じのシンクになります。大谷石の特徴がよく活かされて、端正でかっこいい。

解体された小学校の理科室からいただいてきたシンク。これも2個設置します。

 こちら型枠班。炊事場の土台を作るための型枠をベニヤ板で作っています。下準備が重要です。

 型枠をたてます。奥に見えるのは、去年の秋に作ったアースオーブン。料理をしやすいようにアースオーブンと炊事場を隣接させます。

型枠の中に、ブロックや石を詰めていきます。裏面はブロックで、手前は近くの道路工事の現場からもらってきた“へんこ石”。型枠をはずしたら表にでるので、どう積めば最もきれいかをよくイメージしながら、注意深く積んでいきます。斜面の多い片浦で、どこを歩いても目にするのは、みかんの段々畑の美しい石積み。地域の風景を少しでも再現できればいいなと思います。

こちらはモルタル班。セメント:砂:砂利を1:2:3の比率でまぜます。

お団子ができるくらいの固さになったら、型枠の中に並べた石を接着するために使います。

 今日は色んなことが同時に進みます。こちらは池づくり班。前回作った池の仕上げとして、池の縁に石を並べます。

 子どもたちは石運びが大好き。一輪車とか乗り物を動かすのが好きなんだよね。

そのうち、自分たちが乗っかるのが仕事になってます。

 運んだ石を入れる前に、池の水をくみだします。みんな裸足になってよく働くね。

ようやく水が汲みだされ、池底の砂が見えてきました。

 池と畑の堺となるところに30cmくらいの幅で、さっき運んだ小石を並べます。

 全体はこんな感じ

並べた小石の隙間に砂をつめていきます。そうすることで、畑と池の間に小石と砂の緩衝帯ができ、小さな生き物や微生物の棲家になり、畑と池の間で養分や生き物などの様々な交流が行われるのだそうです。まわりには、川も海も護岸をコンクリートで固めてしまい、土や暮らしとの交流が断たれている場所が多いですよね。残念なことだなと思います。

 池の中に再び水をいれます。

これで、池が完成!

 こちらはガーデン。苗を植えたのが遅かったので、9月の今、トマトやなすが鈴なり。バジルもモロヘイヤも背丈が1メートルを超え、ガーデンというより林の様相、、。

 片浦におすまいのかやもとさんや稲子さんが、ガーデン作業を進めてくださいます。みかんの生産者さんなので、からだの使い方や身のこなしが抜群。重いものも平気で持てちゃう。鍛え方が違います。秋の畑の準備で土を休ませるためにも、のびきった野菜は倒したほうがいいからと、根からほりおこして整えてくださいました。植物や野菜の世話のしかたなど、教えてもらうことたくさん。

片浦小学校のPTAのお母さん。子どもたちが石運びや水遊びに夢中な傍らで、ガーデンの世話をしてくださいました。花のついたバジルを刈ったり、のびすぎた青菜をぬいてくださったり、、、。いつも子供たちやガーデンへのあたたかなまなざし、ありがとうございます。

 こちらはキッチンチーム。枝そのもののすりこぎで何かいい匂いのものを作ってます。今日のランチはなにかな~?

 お昼ごはんですよー。今日のテーマは「夏バテに効き、秋にむけて英気を養うための、甘・辛・酸のエスニック料理」。ガーデンのバジルをたっぷり使ったガパオライスは、身体の中の水や気の滞りをすっきり通し、血の流れをよくしてくれるそうです。スープは、ガーデンに茂るモロヘイヤの酸辣湯。お酢を使ってるから消化酵素の働きを活発にします。ガーデンの冬瓜、かぼちゃ、人参の温野菜にピーナツバターのソースを使ったガドガド。インドネシアのお料理ですね。今日は重労働だけど、お昼を食べて体力挽回!午後もがんばるぞ。

お昼ごはんででた生ごみは、コンポストボックスへ。おがくずが茶色に代わり、少しづつ堆肥に変わっていってます。

 さぁ、再開。炊事場の型枠の中の石積み。向きや大きさを相談しながら、積み上げていきます。

 モルタルをつめて、配管を通します。配管の勾配は5%。この勾配が不正確だと水がつまるから、何度もやり直します。普段の生活では、配管がどうつながっているのか意識しないけど、実際やってみると、いつも見えないところがよくわかります。

配管の位置が決まったら、モルタルで固めていきます。

 土台の上に、シンクとして大谷石をのせて固めて、、、。

こんな風になりました。一番右はアースオーブン。真ん中が大谷石で作ったシンク。左側にはこれから理科室シンクがつきます。土台の型枠がとれるとどんな風な石積みがでてくるのか楽しみ。

こちらは炊事場の裏。既設の水道管からの配管です。放置してあった資材や廃棄物を整理。30mくらい、配管をのばします。水道までひけちゃうんだな。すごいな。

 子供たちはすっかり彼ら独自の世界に行ってしまいました。砂山で遊び放題です。腰がしっかりはいってるね。

「砂浴屋」として開店営業中でした。砂山に座ると砂をかけてくれるんです。健康にいいですよーと売込み中。砂浴が健康にいいなんて知恵、どこで仕入れたんだ?やるなー。私も次回予約をしています。

残業組でパチリ。

今日の様子。
池と畑の堺の水辺のように、異なる環境が接する「縁(エッジ)」に強いエネルギーが集まり豊かな生態系が生まれるというのは、パーマカルチャーの重要な要素です。同様に、この場も、年配の方と子供、地域の人と遠くから遊びにくる人、生産者さんやビルダーや主婦など異なる世代、すまい、職業の人たちが出会い、交わる「エッジ」です。きっとますます豊かなつながりの環が育っていくことでしょう。

次回は、10月19日~20日の連続WS。炊事場の完成と、日干しレンガでのかまどづくり、大谷石でのロケットストーブづくりの盛りだくさんの2日間。どちらかだけの参加でもOKです。どうぞ遊びに来てください~~~!







2012年9月26日水曜日

日干しレンガを手作りしました@9月13日(木)

池ができ雨水タンクがついて、どんどん進化している校庭キッチンガーデン。
10月にはレンガで“かまど”を作る予定ですが、それならレンガも手作りしてしまおう!ということになりました。
えっ、レンガって作れるの?はい、土と砂と水とワラと水をまぜてよくこねて、あとはおひさまと風の力をかりて乾かせば1か月後にはレンガになるんだとか、、、。
講師の四井さんの特別レシピで、片浦の地産地消レンガを作ります。めざせ200個、がんばろー!


 土は中学校の正門前の鈴木さんの土地からいただきました。まさに地産地消ですね。まずは土をふるいにかけて、小石やゴミを取り除きます。

こちらは、ワラ班。押し切り器で4~5cmにカットします。ワラは土と砂と水のつなぎになるのです。

 土:砂:わら:消石灰=10:1:2:0.5の割合でまんべんなく混ぜます。

均等によく混ぜて、、、

少しづつ水を加えながら、足でふみふみこねこねしていきます。

 こちら、男組。輪になってふみふみします。

 何度かひっくりかえして、均一に混ざるようにします。

いい感じの柔らかさにまとまりました。大きいチョコレートムースみたい。

 おにぎりができるくらいの固さになったら、土だんごにしていきます。みんなで歌のしりとりをしながら泥遊び、、、。
泥だんごを、型枠の中につめます。空気をぬくように放り込むのがこつ。

コテでならして、型枠をぬいて、、、。

 できたぞー。大きいチョコレートブラウニーみたい~。美味しそう。約100個作りました。

運ぼうとしたら重くて板がもちあがらない、どうしよう、、。知恵をだしあい、板の下に端材をわたしてお神輿のようにして全員で運びました。けっこう重いんです。炎天下で長い時間、くたくたへろへろだけど、楽しかったね。みんないい笑顔♪

小屋の下の台の上で、雨があたらないようにして乾かします。直接太陽にあてなくても、風通しがよければ1か月ほどで固くなり、立派なレンガになるそうです。わーい、できちゃった。全部もともと地球にあるもの。電気も石油も使ってないし。地球のおかげ、おひさまや風のおかげ。1か月後が楽しみだー。

途中報告、10日後の様子。すでに固くなってきています。いい感じ。続きの100個は9月28日(金)に作ります。作ってみたい方、歓迎受付中!